手の外科 - 症状について

ドケルバン

【病態】
手首の親指側にある腱鞘というトンネルの中を、親指を伸ばす腱が通っています。腱鞘の中を腱がスムースに通らなくなることで痛みが生じます。
腱が腱鞘の中をスムースに通らなくなるイメージ図
【症状】
手首の親指側に痛みが生じます。痛みが強い時期は腫れも強く、腫れが強いと骨のように硬くなります。骨が飛び出てきたと受診される方もいらっしゃいます。親指を他の指で握りこみ、手首を小指側に曲げると激痛が走るのが特徴です。
腱が腱鞘に炎症が起きて痛みが出ます
【治療】
お薬
体質改善目的に漢方薬を飲んでいただくことをお勧めしています。痛みが強い時は消炎鎮痛薬(ロキソニンなど)もお出しします。
装具
痛みが強いときには安静を図るために親指から手首までを固定するような装具を作成します。
装具によるドケルバンの治療イメージ
注射
腱鞘中に少量のステロイド剤を注入することで腱のとおりをスムースにします。頻回の注射による副作用を考慮し、短期間に2回注射しても症状が改善しない場合には手術を御勧めします。
ステロイド剤注射によるドケルバンの治療イメージ
手術
手首の親指側に約1cmの皮膚切開をくわえ、腱鞘というトンネルの天井を切開してトンネルのサイズを広げます。手術は局所麻酔で、10分程度で終了します。