手の外科 - 症状について

TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷

【病態】
橈骨と尺骨を連結させている靭帯が手首の小指側にあります。転倒などで強い力がかかることでこの靭帯が損傷することがあります。またスポーツや手を多く使う作業など慢性的に手首に力がかかり続けることや、加齢による変性によって靭帯が摩滅することもあります。痛みの原因のひとつは橈骨と尺骨がスムースに動かないことであり、もうひとつは損傷した靭帯に骨がひっかかって関節の中に炎症を起こすことです。
TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷のレントゲン図
【症状】
手首を小指側に曲げる動作や手首を回す動作で手首の小指側に痛みが生じます。動作によって手首でコリっと音がして、痛みをともなうこともあります。
【治療】
サポーター
橈骨と尺骨を支えるような特別なサポーターを2~3ヵ月間装着することで靭帯の修復を促します。
注射
炎症の起こっている関節の中に少量のステロイド注射を行うことで、炎症を鎮めて痛みを和らげます。
手術(靭帯部分切除)
数mmの皮膚切開を2~3箇所に加え、内視鏡で関節の中を観察します。損傷した靭帯に骨がひっかからないように処置を行います。
手術(靱帯縫合)
内視鏡で靭帯の状態を確認し、靭帯が緩んでいる場合には皮膚切開を少し延長して靭帯を骨に縫い付けます。術後1~1.5ヶ月間、ギプスや装具で手首の動きを制限します。